冒険

 


子の散髪と子のこだわりと安全性に悩む夏直前。
子育てパイセンたちから、どこのお子さんも小さい頃は散髪大変だとは聞くのですが、
うちの子も簡単に散髪させてくれず、一週間くらいかけてちょっとずつちょっとずつ切って
いつもおかっぱ風のしあがり。
かたくななところがある子なので、嫌だった気持ちを立て直すのにも
なかなかに時間がかかる・・・。
色んなところにぶつかる子なので、毛を短くすると頭を切る危険も。
（もう怪我をしたあとのハゲもいくつか）
いくら自分が帽子屋とはいえ、いつも帽子をかぶせて置くわけにもいかず。
子ども向けのヘアサロンはカラフルやったり楽しいことがいっぱいありすぎて
子の気持ちが落ち着かないらしく・・・カット未遂に到る。


 


まぁそんな子育てあるある的な愚痴を云っても、
夏の暑さも子のこだわりも解消するわけでなし。
自分のヘアスタイルでもないのでハハは知らねぇよ
と思ってまぁまたこつこつと子の散髪してたのですが、
先日子とバンコクに行ったときに
クラシックなバーバー（床屋）が流行ってるっていうフリーペーパーの記事を読んだわけです。
これもしかしたら、子もイケるかも・・・という予感。
おしゃれな大人の世界感を醸す紙面やったのですが、
子ども料金が書いてあるお店もあり
色数も少ないシックな内装が多いし子も落ち着きやすいやろうし、
子どもに寛容なタイやし・・・（母のわたしが緊張しないですむ）。
いっちょトライしてみますか！
と相成ったわけです。


 


そう決まればあとは事前のムードつくり・説明に力尽くすのみ！
スアンルンピニで白鳥ボートに乗りながら、
今日は公園でいーっぱい遊んだら、ご飯たべてお昼寝して
ＢＴＳ乗ってから、クリーム入ったクッキー食べて、
赤いバス乗って、かっこいいチョキチョキ屋さんに行こう！と子に説明。
世の中少々理不尽なことだってあるんだよ、自分のちからで踏ん張ってみな！
と父母に育てられた昭和なわたしですが、
世の中色んな人がいると多様性を学び多少丸くなり、
年を取って体力が落ち、怒るパワーが激減した平成ウン十年の今現在、
まどろっこしい説明だってこなします、こなします。



 

滅多に食べられないクリームクッキーを食べながら、
赤いバスに乗って目指すはトンローのsoi7にある
black amber
https://www.facebook.com/blackamberbarber

洒落てたよ　NYのfreemans sporting clubぽさと20'sスタイルのmixって感じ

 


きかんしゃトーマスファッションで自身のテンションを盛り上げた子と
入店するにはなかなかのハードルを感じましたが、
そこはもう大阪のおばちゃん的なアレでのりきります。


 

バーカウンターでウィスキーを嗜むお洒落バンコクボーイの横で
理容師さんと髪型となかなか手ごわい子だという説明。
場に馴染んでるかと思いきや・・・
やっぱり泣いた。まぁそれは想定内。
脱走しなければ、危険じゃなければ、よいのです、もはや。
この写真が取れているという余裕がもはや素晴らしい。




もちろんipadでyoutubeでご機嫌をとりながらの散髪でしたが、
子も次第に慣れてきた模様。
レコードで30年代ジャズを真空管アンプでかけるお洒落な店内で
子のなかでただ今絶賛流行中の植木等のスーダラ節をかけるのは
まじで気がひけましたが、
「この人かっこいいじゃん」とまわりのお客さんと理容師さんが云ってたので
とりあえずホッ。
ありがとうバンコクお洒落っ子たち。ありがとうクレイジーキャッツ。

 


首についた毛を丁寧に丁寧にとりながら進めてくれたので
最後はいちびる余裕まで出てきて何より何より。
まぁいちびって、
店内に展示してあった丁寧に仕立てられたビスポークのスーツに
抱きつこうとするという冷や汗な始末で、アレなのですが。
やっぱし大人の世界と子どもの世界ってのは
分断されるには訳がありますよね・・・。
どこの国でもきっと昔の床屋さんには
ゆっくり大人になってくシステムがあったんやろうなぁ・・・
おっちゃんたちに揉まれ、見守られるような。
まぁ現代ではそんなノスタルジーはなかなか難しいですね。




すごーく頑張ったから、帰りは途中モタサイ（バイクタクシー）乗ろう！
と小さいご褒美を子にプレゼント。
安全とはいえないけど、すごく乗ってみたそうにしてたバイクに乗れて
それはそれは満足そうでした。





仕上がった髪型はもっさいネイマールみたいでどうかと思うけど、
すごい冒険をしたような気がしてハハも満足です・・・
めっさ疲れたけど。